南方戦線を放浪す シンガポールをめざして
関連タグ
あらすじ/作品情報
その時、低空飛行してきたグラマンが、突堤めがけて機銃掃射を始めた。せっかく泳ぎ着いた兵たちが、一人、二人と、まるで軒端【のき/ば】の露玉が耐えきれずに落ちるように、ポロリポロリ……海中に消えて、私たちは、込み上げてくる憤りと悲しみで地団駄を踏み「畜生、鬼野郎」と叫ぶだけで、何もすることはできなかった……。戦争の悲惨さを後世に伝えるべき、貴重な体験記となる一冊。